今回は僕がデッキパワーレベル5〜6の統率者デッキを組む際に導入しているハウスルール(選択ルール)を紹介します。
まず統率者戦のデッキパワーレベル5〜6がどのようなものかを説明します。
マジック:ザ・ギャザリング日本公式ウェブサイトに掲載されている以下のデッキパワーレベル表には「統率者にあったカードや強力なカードを組み合わせたコンボなど、明確な勝利を目指しはじめたデッキがこの辺り」と記載されています。
僕はデッキパワーレベルについて以下のように認識しています。
デッキパワーレベル1〜6 | 勝つことよりも楽しむことを優先しているレベル帯(競技的ではない) |
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デッキパワーレベル7〜10 | 勝つことが第一優先のレベル帯(競技的) |
そしてデッキパワーレベル5〜6のデッキを組む際には、以下のような思いを持ってデッキを構築しています。
・なるべく自分を含めて対戦している4人のプレイヤー全員が楽しめる、楽しかったと言ってもらえるようなデッキを組む
・自分だけ楽しめて、他のプレイヤーが楽しくない、つまらないと思うようなデッキは組まない
それではハウスルールについて紹介していきます。
目次
クロタカがデッキパワーレベル5〜6の統率者デッキを組む際に導入しているハウスルール
①マスクスルールを採用する
マスクスルールについては、以前書いたこちらの記事を参照ください↓
マスクスルールの大きな特徴が再録禁止カードが入れられないというもので、これにより資産の格差や、カードパワーの格差をある程度抑えることができます。
・再録禁止カードの例
《Tundra》、《セラの聖域/Serra’s Sanctum》、《ガイアの揺籃の地/Gaea’s Cradle》等
僕はデッキパワーレベル表のレベル7〜8と9〜10に記載されている「希少なカード」とは、古くて珍しく入手が難しいカード=主に再録禁止カードを指していると考えています。
レベル5〜6には「希少なカード」の記載がないため、レベル5〜6のデッキ構築時には再録禁止カードの採用はあまり適さないのではないかと思っています。
②2枚で成立する無限コンボ、2枚で成立する特殊勝利コンボは極力入れない
・2枚で成立する無限コンボの例
《太陽冠のヘリオッド/Heliod, Sun-Crowned》+《歩行バリスタ/Walking Ballista》
《鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker》+《やっかい児/Pestermite》
・2枚で成立する特殊勝利コンボの例
《タッサの神託者/Thassa’s Oracle》+《地ならし屋/Leveler》
僕はデッキパワーレベル表のレベル7〜8に記載されている「ゲームを決めるような強力なカード」、レベル9〜10に記載されている「すぐにゲームを決めるようなコンボ」とは、主に「2枚で成立する無限コンボ」や「2枚で成立する特殊勝利コンボ」を指していると考えています。
そしてレベル5〜6に記載されている「強力なカードを組み合わせたコンボ」とは、ゲームを決める程ではないが強力なコンボ(例えば《英雄、オプティマスプライム/Optimus Prime, Hero》+《ヴラーキスの勇者、ラエゼル/Lae’zel, Vlaakith’s Champion》等)を指していると考えています。
レベル5〜6には「ゲームを決めるような」の記載がないため、レベル5〜6のデッキ構築時には「2枚で成立する無限コンボ」や「2枚で成立する特殊勝利コンボ」の採用はあまり適さないのではないかと思っています。
「2枚で成立する無限コンボ」や「2枚で成立する特殊勝利コンボ」を入れないことで、以下のようなゲーム展開を避けることができます。
・「2枚で成立する無限コンボ」や「2枚で成立する特殊勝利コンボ」がゲームを開始してから早い段階で揃い、すぐにゲームが決着してしまう。
・「2枚で成立する無限コンボ」や「2枚で成立する特殊勝利コンボ」を揃えることと、それらのコンボを防ぐことに終始するゲーム展開になってしまう。
・対戦相手がゲームを楽しんでいても「2枚で成立する無限コンボ」や「2枚で成立する特殊勝利コンボ」により、ゲームが唐突に終了してしまう。そして対戦相手につまらなかったと思わせてしまう。
僕はレベル5〜6のデッキ同士の対戦では、「2枚で成立する無限コンボ」や「2枚で成立する特殊勝利コンボ」を使わずにライフを40点削りあったり、統率者ダメージ21点を目指すくらいが適しているのではないかと思っています。
③0〜1マナのマナアーティファクトを入れ過ぎない
・0〜1マナのマナアーティファクトの例
《魔力の墓所/Mana Crypt》、《宝石の睡蓮/Jeweled Lotus》、《太陽の指輪/Sol Ring》等
「0〜1マナのマナアーティファクト」を入れ過ぎないことで、ゲーム速度をある程度抑えることができます。
僕はデッキパワーレベル5〜6のデッキ同士の対戦では、自分のターンが10ターン以上経過してからゲームが決着するくらいの速度感でも良いのではないかと考えています。
そして「0〜1マナのマナアーティファクト」等でマナ加速して、5ターン以内にゲームが決着してしまうような速度感は適さないのではないかと考えています。
「0〜1マナのマナアーティファクト」を入れ過ぎないことで、以下のようなゲーム展開を避けることができます。
・「0〜1マナのマナアーティファクト」を早いターンに複数枚プレイしたプレイヤーがカード展開量で他のプレイヤーを圧倒し、他のプレイヤーが間に合わない内にゲームが決着してしまう。
・「0〜1マナのマナアーティファクト」を多く採用しているデッキと、ほとんど採用していないデッキでは、ゲーム速度に大きな差がでてしまう。そして採用していない側のプレイヤーは、ゲーム速度に差があり過ぎてつまらないと思うことがある。
「入れ過ぎない」という曖昧な書き方をしていますが、何枚までを入れ過ぎとするかは、各コミュニティ内で相談してちょうどいい枚数を決めるのがいいのではないかと思っています(後述する「入れ過ぎない」と書いた各ルールも同様に考えています)。
ちなみに僕の個人的な「0〜1マナのマナアーティファクト」推奨採用枚数は2枚以下です。
④土地サーチ以外のサーチカードを入れ過ぎない
・土地サーチの例
《遥か見/Farseek》、《探検の地図/Expedition Map》、《寓話の小道/Fabled Passage》等
・土地サーチ以外のサーチカードの例
《悪魔の教示者/Demonic Tutor》、《神秘の教示者/Mystical Tutor》、《歯と爪/Tooth and Nail》等
「土地サーチ以外のサーチカード」を入れ過ぎないことで、以下のようなゲーム展開を避けることができます。
・強力なコンボカードや統率者と相性の良いカードを簡単に探せてしまう。
・毎回同じようなカードをサーチして、毎回同じようなゲーム展開になる。再現性が高まる。
・強力なカードをサーチしてゲームが早期に決着する。
・状況を打開するカードを毎回サーチしてきてゲームが中々決着せず、ゲーム時間が長引く。
僕は「土地サーチ以外のサーチカード」を入れ過ぎると、デッキが毎ゲーム同じような動きをすることが可能になり、競技的なデッキパワーレベルに近づくと考えています。
デッキパワーレベル5〜6のデッキ同士の対戦では、「ハイランダー」の特徴である「毎回どんなカードを引くかわからず、ゲームごとに違った展開になる(同じような展開になりづらい)」という部分を楽しめるくらいが適しているのではないかと思っています。
僕の個人的な「土地サーチ以外のサーチカード」推奨採用枚数は4枚以下です。
⑤打ち消しカード(特にピッチスペル)を入れ過ぎない
・打ち消しカードの例
《秘儀の否定/Arcane Denial 》、《マナ吸収/Mana Drain》、《白鳥の歌/Swan Song》等
・打ち消しカード(ピッチスペルや0マナの呪文)の例
《意志の力/Force of Will》、《激情の後見/Fierce Guardianship》、《否定の契約/Pact of Negation》等
打ち消しカードを入れ過ぎると、以下のようなことが発生したりします。
・強力なカードが戦場にある状態で打ち消しカードを構えられると、対戦相手は対処がとても難しくなる。
・何度も呪文を打ち消されたプレイヤーはつまらないと感じることがある。
・打ち消しカードを対策するために他のプレイヤーも打ち消しカードを入れ始め、デッキの固有色が青(または赤)を含むものばかりになっていく。
・打ち消しカードがあると対戦相手は打ち消されることを警戒しながら呪文をプレイすることになる。それがプレッシャーになり、楽しくないと思うことがある。
・特にピッチスペルの打ち消しカードは、対戦相手からするとマナが何も生み出せない状況でも打ち消しを警戒しなければいけなくなる。
・ゲームが決まりそうな呪文を打ち消し続けてゲームが中々決着せず、ゲーム時間が長引く。
僕は打ち消しカード(特にピッチスペル)を入れ過ぎると競技的なデッキパワーレベルに近づく要因になり、レベル5〜6のデッキにはあまり適さないのではないかと考えています。
レベル5〜6のデッキ同士の対戦では、打ち消しカードの応酬があまりなく、唱えた呪文がそのまま解決されるくらいが適しているのではないかと思っています。
僕の個人的な「打ち消しカード」推奨採用枚数は2枚以下です。
⑥追加ターンカードは極力入れない
・追加ターンカードの例
《時間のねじれ/Time Warp》、《運命のきずな/Nexus of Fate》、《召し上げ/Expropriate》等
追加ターンカードはプレイしたプレイヤーのターンが長く続き(1人でのプレイ時間が長くなる)、他の3人のプレイヤーはその間ずっとほぼ何もできずに待たなければいけなくなります。そして待たされるプレイヤーはつまらないと感じやすいと僕は思っています。
追加ターンカードはごく少数の採用ならいいかもしれませんが、連発できるくらい多く入れたり、追加ターンカードを使い回すような戦略(追加ターンカードを《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》で再度唱える等)は、デッキパワーレベル5〜6のデッキには適さないのではないかと思っています。
⑦大量の土地を破壊するカード、土地を縛る(ロックする)カードは極力入れない
・大量の土地を破壊するカードの例
《ハルマゲドン/Armageddon》、《死の雲/Death Cloud》、《破滅/Ruination》等
・土地を縛る(ロックする)カードの例
《基本に帰れ/Back to Basics 》、《血染めの月/Blood Moon》、《冬の宝珠/Winter Orb》等
「大量の土地を破壊するようなカード」や「土地を縛る(ロックする)カード」を使うと以下のようなことが発生したりします。
対戦相手はマナが生み出せなくなり、長い間何も呪文を唱えられなくなる。
僕は大量の土地を破壊するようなカードや、土地を縛り(ロックして)マナを生み出せないようにするカードは、使うと自分は有利になるかもしれませんが、その代わりに対戦相手はとてもつまらない思いをする可能性が高いと考えています。
対戦相手がマナを生み出すことを大幅に制限するような戦術は、デッキパワーレベル5〜6のデッキには適さないのではないかと思っています。
⑧クリーチャー除去やパーマネント除去を過剰に入れ過ぎない
・クリーチャー除去の例
《剣を鍬に/Swords to Plowshares》、《滅び/Damnation》等
・パーマネント除去の例
《内にいる獣/Beast Within》、《啓示の刻/Hour of Revelation》等
クリーチャー除去やパーマネント除去はある程度の枚数入れた方がいいと考えていますが、過剰に入れ過ぎることは控えた方がいいと思っています。
クリーチャー除去やパーマネント除去を過剰に入れると、対戦相手の統率者を何度も除去できてしまいます。その結果対戦相手が統率者を唱えられなくなったり(統率者税が払えなくなる等)、統率者を出すことを躊躇してしまう(出してもすぐに除去されることがわかっているため)ことがあります。
極端な例ですが、クリーチャー除去やパーマネント除去を20枚以上入れて、さらに統率者をクリーチャーやパーマネントの除去能力を持つカードにしたようなデッキは、作成を控えた方がいいのではないかと思っています。
・クリーチャーやパーマネント除去能力を持つ統率者の例
《マガーンの鏖殺者、ヴォーナ/Vona, Butcher of Magan》、《戦慄をなす者ヴィザラ/Visara the Dreadful》、《暴虐の龍、アスマディ/Vaevictis Asmadi, the Dire》等
※統率者を除去しないエンチャントやアーティファクトのみを除去するカード等(例えば《帰化/Naturalize》等)は、枚数制限なく入れても問題ないと考えています。
僕の個人的な「クリーチャー除去やパーマネント除去」推奨採用枚数は12枚以下です。
ハウスルールの紹介は以上です。
クロタカが考えたデッキパワーレベル5〜6に関するハウスルールということから、このハウスルールの名称は「クロタカ5〜6ルール」に決めました。
「クロタカ5〜6ルール」で組んだデッキがどのようなものかは、僕が公式サイトで書いている「クロタカの統率者図書館」のデッキを見ていただければわかりやすいと思います。
「クロタカの統率者図書館」では(諸事情により稀に例外はありますが)概ね「クロタカ5〜6ルール」に則ってデッキを組んでいます。
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